
1倍なら損失を気にしなくていい?
まだ成立していない注文も計算する?

「トラリピをレバレッジ1倍で運用したい」と考えたら、まず確認するのは倍率の選択ボタンではなく、保有する通貨の量と口座の有効証拠金です。1倍に抑えるつもりでも、新規注文が次々に成立すれば取引規模が変わります。
・ レバレッジ1倍の意味と、自分で計算する方法
・ 現在の倍率と、全注文が成立した場合の違い
・ 買い・売り・追加入金で数字がどう変わるか
トラリピのレバレッジ1倍は「取引総額と有効証拠金が同じ」状態
マネースクエアの公式FAQによる計算は、レバレッジ=取引総代金÷有効証拠金です。取引総代金は、現在のレートと数量を掛けて求めます。対円の通貨ペアなら、そのまま円で計算できます。
米ドル/円が150円で1,000通貨を保有している場合、取引総額は15万円です。有効証拠金が15万円なら、15万円÷15万円=1倍になります。
ここで使う有効証拠金は、単に最初に入金した額ではありません。公式の口座状況の説明では、預託証拠金にポジションやスワップなどの評価損益を加えて求めます。含み損があれば、入金額より小さくなることがあります。
「最大25倍」と自分の口座の倍率は別
個人のトラリピFXは最大25倍と案内されていますが、常に25倍で取引するという意味ではありません。同じ1,000通貨でも、口座の有効証拠金を多く確保すれば実際の倍率は低くなります。商品側の上限と、自分の保有量から計算される倍率を分けて見てください。
なお、証拠金として拘束される金額と、売買している通貨の総額も別です。「発注に必要な証拠金が少ない」ことを「小さな取引」と読み替えないようにしましょう。
現在0.2倍でも、5本が成立すると約0.99倍になる例
トラリピでは1本の建玉だけを見ず、今後成立し得る本数も数えます。次は米ドル/円の買いを150・149・148・147・146円に1,000通貨ずつ置き、75万円を入金したという仮の例です。他の取引や入出金はないものとします。
計算を分かりやすくするため、売値と買値の差、スワップ、その他費用を除き、同じレートで評価します。実際の口座表示を再現するものではありません。
| 確認時点 | 取引総額 | 有効証拠金 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 150円で最初の1本だけ成立 | 150円×1,000=15万円 | 75万円 | 0.20倍 |
| 146円で5本すべて保有 | 146円×5,000=73万円 | 75万円−含み損1万円=74万円 | 約0.99倍 |
5本の取得額の合計は74万円です。146円の時価総額は73万円なので、評価損は1万円。倍率は73万円÷74万円=約0.9865倍となります。最初の1本が0.2倍だったから、設定全体も0.2倍とは限りません。
同じ5本を入金15万円で保有した場合は、含み損1万円を差し引いた有効証拠金14万円に対し、取引総額73万円となり、約5.21倍です。数量と本数を同じにしても、確保する資金によって倍率が大きく変わることが分かります。
ただし、未成立の注文をすでに建玉があるかのように現在の表示倍率へ足すのではありません。現在保有している分の計算と、注文が成立したと仮定する将来の計算を別々に作ります。
1倍でも損失は出る。買いと売りで倍率の変化も違う
米ドル/円150円、数量1,000通貨、有効証拠金15万円から始める場合を比べます。ここも売買価格差やスワップなどを除いた単純計算です。
| 場面 | 評価損 | 変動後の取引総額と有効証拠金 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 買い:150円から140円へ下落 | 1万円の損失 | 14万円÷14万円 | 1.00倍 |
| 売り:150円から160円へ上昇 | 1万円の損失 | 16万円÷14万円 | 約1.14倍 |
買いの例では、取引総額と有効証拠金がともに1万円減るため、倍率は1倍のままです。それでも資金は減っています。一方、売りの逆行では、取引総額が増えながら有効証拠金が減り、倍率も上がります。
「含み損が出れば必ず倍率が上がる」「1倍なら損をしない」のどちらも正しくありません。 費用やスワップが加わる実際の口座では、単純計算と異なる変化もあります。低い倍率だけで判断せず、いくら失う場面を想定しているかを円で確かめましょう。
証拠金維持率とロスカット価格は、倍率とは別に計算します。詳しい計算は、次の記事で確認できます。
トラリピのロスカットは何%?証拠金維持率と含み損の計算・対処法
注文を増やす前は「数量・資金・想定損失」を順に確認する
- 現在の口座を確認する:保有数量、有効証拠金、評価損益を同じ時点で記録する。
- 未成立注文を数える:1本あたりの数量と成立し得る本数を整理する。
- 逆行する価格を置く:全本成立時と、その後さらに逆行した時点の損失を計算する。
- 資金を増減した場合も比べる:追加入金・出金後に、口座へ残す金額と注文規模が釣り合うかを確認する。
同じ建玉を保ったまま追加入金すれば、他の条件が同じなら倍率は下がります。反対に出金すれば上がります。利益を再投資するときも、入金額だけを増やす場合と、同時に注文数量を増やす場合は別です。
トラリピの複利運用と追加入金|利益の再投資・あとから注文を増やす手順
米ドル/円1本だけの倍率で、口座全体を判断しないでください。対円以外の通貨ペアは円換算も必要です。各建玉・評価損益を含む口座全体を公式のリスクシミュレーションで確認しましょう。
試算画面の使い方と、未成立の注文をどこまで含めた結果かを確認する手順は、運用試算表の記事にまとめています。
レバレッジ1倍についてよくある質問
まとめ|1倍の数字と、失う金額をセットで見る
レバレッジは現在の取引規模を捉える入口です。1倍という数字を固定目標にする前に、全注文が成立する場合、逆行する場合、資金を出し入れする場合を比べましょう。注文を増やす前の試算と、運用中の口座確認をセットにすることが大切です。
現在の保有数量・有効証拠金から倍率を計算する
全本成立時と逆行時の損失を円で書き出す
許容損失に収まるまで数量・本数を見直す
トラリピ研究所 