
利益が出ているのに決済されないのはなぜ?
途中で解除すると、持っている建玉はどうなる?

「付ければ利益が増える」と考えて選ぶと、思ったタイミングで決済されず戸惑うことがあります。この記事では、仕組みと決済されない理由、解除前の確認ポイントを順番に解説します。
・ 決済トレールあり・なしで、決済のタイミングがどう変わるか
・ 利益が出ていても決済されない理由と確認する場所
・ 解除すると建玉がどうなるか、操作前の注意点
決済トレールなし・ありで、何が変わる?

決済トレールなしでは、設定した決済価格に達すると決済するのが基本です。ありの場合は、さらに利益が出る方向への値動きを待ち、条件を満たすと決済価格が段階的に移動します。まず、決済したい価格と、決済注文を有効にする判定価格は別と押さえましょう。
| 用語 | 意味 | 買いの例 |
|---|---|---|
| 利益値幅 | 新規注文と、設定する決済注文の価格差 | 150.00円で買い、151.00円で売るなら1.00円 |
| トレール値幅 | 判定価格などに用いられる、通貨ペアごとの指定値幅 | USD/JPYは0.20円 |
| トレール判定価格 | 決済注文を有効にする、または次の段階へ移すための価格 | 最初は151.20円、次は151.40円 |
| 有効になった決済価格 | 判定条件を満たした後、反転時の決済に用いる価格 | 最初は151.00円、次の判定後は151.20円 |
このUSD/JPYの段階関係は、マネースクエア公式FAQの決済トレール例に沿っています。注文価格と実際の取得価格が異なる場合などは、価格差による損益も変わります。
トレール値幅は、すべての通貨ペアで20銭ではない
USD/JPYの例を、そのまま他のペアの金額に置き換えることはできません。代表例は次のとおりです。公式FAQの全通貨ペアの指定値幅も確認してください。
| 通貨ペア | トレール値幅 | 単位の注意 |
|---|---|---|
| USD/JPY | 0.20円 | 1米ドルあたりの円の値幅 |
| MXN/JPY | 0.05円 | USD/JPYと同じ20銭ではない |
| AUD/NZD | 0.0020NZドル | 円の値幅ではない。円換算には別途為替レートが必要 |
同じ値動きで比較する3ケース

USD/JPYを150.00円で1,000米ドル買い、利益値幅を1.00円に設定したと仮定します。決済トレールなし・ありを、同じ開始状態の単一建玉の、最初の決済だけで比べます。
比較条件:決済に用いるレートが表の順に連続的に動き、指定価格で約定すると仮定。トレール値幅は0.20円です。スプレッド・スワップ・スリッページ・窓開け・他の建玉・決済後の次のリピートを含めません。表は費用を含まない価格差損益であり、口座の総損益を比較するものではありません。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールしてご覧ください。
| 仮定の価格経路(円) | トレールなし | トレールありの状態 | ありの価格差損益 |
|---|---|---|---|
| A:150.00 → 151.00 → 150.90 | 151.00で決済 確定した価格差益1,000円 | 最初の判定151.20に届かず、決済注文はまだ有効にならない | 未決済 終点の価格差評価益900円 |
| B:150.00 → 151.20 → 151.00 | 151.00で決済 確定した価格差益1,000円 | 151.20で判定後、151.00への反落で決済 | 確定した価格差益1,000円 |
| C:150.00 → 151.40 → 151.20 | 151.00で決済 確定した価格差益1,000円 | 151.40の次段階判定後、151.20への反落で決済 | 確定した価格差益1,200円 |
計算は「(決済価格 − 取得価格)×数量」です。Cなら(151.20 − 150.00)×1,000=1,200円。Aの900円は(150.90 − 150.00)×1,000で求めた未決済の評価益です。確定した1,000円と同じ種類の利益として扱えません。
Aでは、なしなら終えられた決済を、ありでは終えていません。Cでは、ありの初回価格差益が大きくなっています。この違いから分かるのは、結果が価格の通り道に左右されることです。実際の運用全体では、決済回数、次の新規注文、保有期間中の費用も変わるため、Cだけを根拠に「ありの方が儲かる」とは判断できません。
利益金額に達しても決済されないときの確認順

画面の評価益が設定した利益金額以上でも、直ちに異常とは限りません。公式FAQは、トレールのほかに、取得価格のずれやスワップ累積も原因として挙げています。
- 対象の建玉と決済注文を特定する。口座全体の利益ではなく、対象トラリピの情報を確認します。
- 決済トレールの有無と判定価格を確認する。ありなら、最初の判定に到達して決済注文が有効になったかを見ます。
- 注文価格と取得価格を区別する。窓開けなどで新規注文が指定価格と異なる価格で成立すると、表示損益と当初の決済価格の関係が変わります。
- スワップ込みの評価損益と、価格によるポジション損益を区別する。プラスのスワップが加わって目標金額に見えても、それだけで決済価格へ到達したとはいえません。
PCの「注文履歴」では、トレール判定価格や値幅、注文の状態を確認できます。公式の注文履歴の表示と見方も参照してください。画面の「待機中」と「有効」は異なる状態です。不明な注文は解除して試すのではなく、対象の注文番号と表示内容を控えて公式窓口へ確認しましょう。
解除すると、その場で成行決済される場合がある

解除は、保有建玉をそのまま残すための操作とは限りません。「一度オフにして様子を見る」と操作する前に、ポジション損益と設定中の利益金額を確認してください。
公式FAQの解除時の扱いは、次のように分かれます。判定で見るのは「評価損益(ポジション)」です。スワップ込みの合計評価損益と取り違えないようにします。
| 解除時の状態 | 公式仕様上の扱い |
|---|---|
| 評価損益(ポジション)が設定利益金額以上 | 取引時間内は成行で決済される。「同額」も含む |
| 上の状態で、取引時間外 | 利益金額で指値が設定され、取引開始時の注文成立ルールが適用される |
| 評価損益(ポジション)が設定利益金額未満 | 利益金額に基づく指値が発注される |
この表は「決済トレール解除」の扱いです。トラリピ自体を停止する場合の手順と、建玉を残す・決済する方法は次の記事で確認できます。
設定・解除の操作は、建玉の確認後に進める
アプリでは「トラリピ管理」から対象のトラリピを開き、「決済トレール設定」または「決済トレール解除」を選択します。確認画面で内容を読み、「変更する」で確定する流れです。操作前の画面名・詳細は公式アプリ修正ガイドで照合してください。
PCでは「トラリピ管理表」から対象の「詳細/変更/取消」を開きます。以降の画面は公式PC修正ガイドをご確認ください。レンジシフトと決済トレールは併用できません。初回注文の通貨ペア・レンジ・数量の決め方は、次の記事にまとめています。
トラリピの設定方法|通貨ペア・レンジ・本数を決めて初回注文する手順
選ぶ前に、価格差益以外の条件もそろえる

あり・なしを選ぶ際は、「大きな一回の決済を狙いたいか」だけでなく、判定価格へ届かず建玉が残る場合を受け入れられるか、保有中の費用がどう変わるかも検討します。
- スワップ:保有が長引けば受取り・支払いが積み重なります。値は変動し、価格差益と合算した総損益で確認する必要があります。
- せま得:決済トレール設定中は対象外です。解除すれば無条件・無期限で優遇されるわけではなく、利益値幅などの条件と、ポジション成立からの適用期間も確認します。根拠:公式FAQ「せま得」。
- 実際の約定:この記事の表は連続価格・指定価格での約定を仮定しています。実取引では注文価格と成立価格がずれる場合があり、表の金額どおりの決済を保証しません。
通貨ペアごとの必要資金・保有費用や、他社の自動売買との機能の違いは、次の関連記事で比較できます。
トラリピのおすすめ通貨ペアは?必要資金・値動き・スワップで比較
トラリピと松井証券FX自動売買を比較|必要資金・コスト・設定機能の違い
決済トレールのよくある質問(FAQ)

まとめ|決済トレールは仕組みを理解して選ぼう

対象トラリピの通貨ペア・売買方向・利益値幅・トレール値幅・現在の判定価格・ポジション損益を確認します。解除する場合は、設定利益金額との大小と取引時間内かも照合してください。価格差益だけで有利不利を決めず、費用と未決済建玉の扱いを含めて選ぶことが大切です。
対象の通貨ペア・売買方向と、トレール判定価格を確認する
利益金額に届いたかだけでなく、注文の状態とポジション損益を見る
解除前に成行決済の条件を確認し、建玉をどうするか決める
注文条件を見直す場合や、トラリピ自体を停止したい場合は、次の記事も確認してください。
トラリピの設定方法|通貨ペア・レンジ・本数を決めて初回注文する手順
トラリピの停止・取消方法|建玉を残す・決済する3つの選択肢
トラリピ研究所 
